世界中を震撼させた新型コロナショックは私達の生活を大きく変えました。
当然仕事の仕方にも大きな変化が起きており、まず思いつくのは、「在宅ワーク」や「リモートワーク」また、それらの総称である「テレワーク」でしょう。
一昔前では考えられないことですが、インターネットの普及とITの発達により、会社の業務のほとんど、もしくはすべてを自宅やコワーキングスペースなど、会社以外のところで遂行することが可能になりました。
新型コロナショックをきっかけに広まったこの流れはコロナが収まったあとも一定の割合で残るでしょう。
その理由は「大きなメリットがあるから」です。
マッサージの施術のようにどうしても対面でないと提供できないサービス業は別として、「オンライン化できるのにしない」はこれからの事業経営においてはリスクになりかねません。
今回は会社業務のオンライン化のメリットや気をつける点、よく言われる デジタル化 との違いも合わせて解説していきますので、是非最後までご覧ください。
そもそもオンライン化とは?デジタル化との違い

早速ですが、オンライン化とはなんでしょうか?簡単に言えば「仕事をインターネット上で行う」ということですが、例を挙げると、
- 対面で行っていた会議をテレビ電話で行う。
- 社員のパソコンに入っていたデータをインターネット上で管理する。
- 郵送で送っていた書類をメールに切り替える。
など。このあたりのイメージは難しくないですよね。
デジタル化との違い
最近良く聞く、「デジタル化」という言葉に部分的ににているので混同されがちです。
デジタル化 とは、「アナログだったものをデジタルに置き換える」という意味合いです。手書きだった書類をパソコンに切り替えるのも デジタル化 ですし、昔ながらのタイムカードで打刻していた勤怠管理をICカードに切り替えるのも デジタル化 と言えます。
オンライン化とは デジタル化 のさらに進んだ形です。情報が デジタル化 されているのは当たり前として、その管理をインターネット上で行うわけです。
例えば、ある書類をある社員がパソコンで管理していたとします。そのデータを経営会議で使いたい場合はその社員にメールで送ってもらうか印刷してもらうしかなかったのが、従来の「デジタル化 止まり」の状態ですが、これがオンライン化されると、権限を持った社員なら誰でもインターネット上にあるその書類を閲覧したり印刷したりできるようになります。
一つの書類を複数人で作成していくことも可能ですので、まさに仕事の仕方自体をより効率的に変えてくれるという側面がオンライン化にはあります。
スマホでもタブレットでも、自宅のPCでも
オンライン化した時の象徴的な変化として、「どの機器からでも情報へのアクセスが可能になる」ことが挙げられます。
従来の典型的な企業では、「会社のパソコンの前に行かないとできない仕事」がたくさんありましたが、オンライン化が進めば、自宅にあるパソコンはもちろん、手持ちのスマホやタブレットでもかなりの部分の仕事をこなすことができます。
もちろん決算資料を作るような業務にはスピードという点で向きませんが、その資料を確認して決裁する管理業務であれば十分にスマホやタブレットでも可能でしょう。
全体として、「仕事の仕方の自由度を上げてくれる」のがオンライン化です。
オンライン化、デジタル化を進める際に気をつけるべきこと
ここまでオンライン化の良い点ばかりをご紹介してきましたが、もちろんメリットばかりではありません。
ここではオンライン化を進める際に気をつけるべきことを3点ご紹介します。
1.セキュリティの問題
これは良くニュースでも報道されていますのでご存じの方が多いと思いますが、オンライン化の最大のリスクは「情報漏えい」です。
「○○万人の顧客情報が流出」と言ったニュースをたまに見かけますが、特に顧客の個人情報を管理している企業においては致命的なダメージを負いかねません。
オンライン化を進める際には、ハード・ソフト両面でのセキュリティ対策が必須になります。
2.間違えて消してしまうリスク
あまり言われないリスクですが、こちらもオンライン・デジタルデータの大きな弱点です。
紙の資料であれば、「資料室一つ分の資料を紛失した」というのはちょっと考えられませんが、デジタルデータにおいては物理的なサイズが無いので、極端な話、「東京ドーム一個分の資料を間違えて消してしまった」が起こりえます。
これは間違えて、という場合だけでなく、例えば社内のサーバー(デジタルデータの倉庫のようなもの)でオンライン化を実現した場合、天災や火災などでサーバーが消失した場合にも起こります。
今からオンライン化を進める場合には、自動でバックアップが取られるシステムや、社外にあるサーバーを選定するなど、データ消失への対策が必須となります。
3.抵抗勢力
こちらはアナログ的、人情的な部分ですが、実は社内業務のオンライン化にあたって一番問題になりやすい要素の一つです。
そもそも人間は変化を恐れる生き物と言われています。今まで長年アナログ、もしくは自分のパソコンでやっていた仕事をオンライン化すると言われた時に一定の割合で反対する社員が出て来ます。
本来会社全体はもちろん、その本人の効率も上がるはずなのに「変えたくない」という心情からオンライン化が進められないのは大きな損害になります。
業務のオンライン化プロジェクトはその会社ではITリテラシーが高い社員が責任者となることが多くなります。
一方でITリテラシーが高くない、変化を嫌う社員に対する丁寧な説明や、実際の使い方の研修などが必要になるでしょう。
オンライン化、デジタル化のメリットと適材適所

では、オンライン化をする具体的なメリットとはどういったものがあるのでしょうか。
とてもたくさんあるので全て紹介することは不可能ですが、代表的な要素を見ていきましょう。
大幅な経費削減になる
オンライン化の最大の特徴は「どこでも仕事ができるようになる」ことです。
もちろん製造現場などどうしても出社しなければいけない社員や部門は残りますが、仮に全体の50%の業務をオンライン化できるだけでも必要なオフィスの広さが変わります。
地代家賃は固定費において大きな割合を占める経費ですので、ここを削減できる効果は絶大です。それに付随して社員が出社するためにかかっている交通費も削減できますし、光熱水費や各種保険などすべてが削減されることになります。
また、オンライン化と同時に行われることの多い デジタル化 によっても経費削減が進みます。
必要ないのに使っていたカラーコピー、大量の紙や文房具はもちろんですが、それらを保管、設置していた分のオフィス面積も不要になります。
今まで、資料室一つを専有していた大量の紙資料もデジタルデータに置き換えてオンライン管理することで、必要な面積は「ゼロ」になります。
この経費削減効果は圧倒的に魅力です。
絶対に安全である
前項でデメリット、リスクとしてデータの漏洩や消失をご紹介しましたが、適切な手順や方法でオンライン化を進めることで「絶対に安全」と言い切れるレベルでオンライン化が可能な環境がすでに整っています。
これからオンライン化をするにあたって、最初にして最大の選択肢になるGoogleなどのサーバーシステムのセキュリティは世界最高峰です。
ハッキングのリスクがゼロとは言い切れませんが、Googleはその絶対の自信からか「当社にハッキングができたハッカーには賞金を出す」という声明まで出しているほどです。
それに比べれば会社に部外者が侵入するリスク、酔った社員が重要書類入りのパソコンをどこかに置き忘れるリスクのほうが大きいのは明らか。
また、データ消失に対する安全度はさらに高く、「消失するのは不可能」とも言える仕組みになっています。
Googleなどが利用しているサーバーは国内外各地に分散してバックアップを取った上で管理されているため、外部からの物理的な攻撃を含めて、悪意を持ってデータを消失させるのは不可能と言われています。
極端な話、自社が火災で全焼したとしてもオンライン上に保管していたデータは100%保全されます。災害が多い日本においてこの安全性はとても魅力的と言えます。
業務スピードの向上
コクヨ株式会社が2017年に行った調査では「紙の書類を探している時間」はなんと年間80時間にも上るそうです。
もちろん導入初期においては慣れも含めて時間がかかるフェーズもありますが、長期的に見れば業務スピードが向上するのは明らかです。
書類を探すのであれば、タイトルだけでなく本文全てに対して検索をかけられますし、複製や修正も一瞬です。
業務スピードの向上は即ち人件費の削減や、社員満足度に繋がりますので、こちらも大きなメリットの一つと言えます。
従業員確保
優秀な人材を採用したいのであれば適切なオンライン化は今後必須になると言えるでしょう。これから社会に出てくる若者にとって、「オンラインであること」は当たり前です。
不必要にアナログな業務はもちろん、オンライン化したほうがメリットが大きいのにオンライン化されていない業務方式を採っている会社に優秀な人材が集まることは無いでしょう。
日本企業が海外企業に驚かれる点として、「未だにFAXを使っている」という点がありますが、最近の若者はFAXどころか、「知らない人からの電話をとる」ことすら経験が無いと良く言われます。
どれだけ時代が進んでも企業にとって人材は生命線です。優秀な人材を逃すことが無いように、という意味でも適切なオンライン化を進めることは重要といえます。
オンライン化やデジタル化を進める際に必要な知識やノウハウ

最後になりますが、「実際にオンライン化を進めるにはどうすべきか」について解説していきます。
まず、特にオンライン化担当者が気をつけねばならないのは「適材適所」を意識することです。オンライン化のメリットは巨大ですが、やはり「なにからなにまで」が最適解になるとは限りません。
オンライン上で活躍するビジネス系YouTuberが手書きのホワイトボードを使うこともあるように、何事も「適材適所」が大事です。
ついオンライン化を進める当事者になると、なんでもオンラインにしたくなりがちですが、この点は抑えておくと良いでしょう。
オンライン化は自社でもできる
会社の規模や業種、担当者のITスキルにもよりますが、業務のオンライン化は自社の社員でも十分可能です。
世の中のサービス全体でオンライン化が進んでいます。
例えば自社で管理していたメールをGoogleに変更することや、Slack や ZOOM などのサービスを使ってコミュニケーションをオンライン化するといったことは、ITスキルの高い社員がいれば不可能ではないでしょう。
特に小さな会社では、オンラインとオフライン、デジタルとアナログの塩梅が非常に重要になります。目的はオンライン化ではなく業務の効率化や経費削減ですから、ここも気をつけたい点です。
適任者がいない場合は?
とはいえ、現状オンライン化や デジタル化 が進んでいない企業にそこまでのITスキルを持った人材がいる場合も多くは無いでしょう。
また、一旦オンライン化プロジェクトが走り出したもののなかなかうまく行かない、会社に馴染まないということもあるはずです。
現実的に会社業務をオンライン化するにあたってはかなり広範囲なITにまつわる知識、さらに社員への研修を含めたコミュニケーションスキルが求められます。
オンライン化のスピードが鈍ること自体が経費増大を招きますので、こういった場合は外部の専門家に相談するのも有効な一手になります。
オンライン化、デジタル化にかかる経費には補助金を活用できる
とはいえ、コストが掛かると腰が重くなってしまうのが人情ですね。
しかし、実はオンライン化を含むIT技術の活用促進については国も支援しており、補助金を活用して、限りなく低いコストでオンライン化とそれに伴う支援を受けることが可能です。
まとめ
簡単ではありましたが「社内業務のオンライン化」についてご紹介してまいりました。
新型コロナショックをきっかけに広まった「オンラインで仕事をする」という方式ですが、今後広まっていくことに疑いの余地はありません。適切に導入することができれば全員の幸福度を上げることができるのもオンライン化です。
