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リモートワークが失敗する内的要因

感染症対策で一気に普及が進んだテレワーク・在宅ワークですが、うまく仕事は進んでいますでしょうか。

通勤や準備にかかるコストが削減されるため、一見労使双方にメリットが有る仕組みに見えますが、こと管理職や管理部門の方からすると良いことばかりではありません。

従来に比べ管理がうまく行かず、部門全体の生産性が低下しているという悩みを抱えている管理職の方は多いもの。

今回は リモートワーク が失敗する内的な要因について解説します。先ずは要因を把握し、改善策へと繋げて行きましょう。

リモートワークで起こりがちな問題点

通常のオフィスからリモートワークに移行した場合に良く言われる問題点として、スピード・品質の低下があります。

同じメンバーで仕事をしているにもかかわらず、こういった問題が起きてしまう要因は大きく3つに分けることが出来ます。

・コミュニケーションの問題
・管理方法の問題
・ITリテラシー格差

一つずつ順に見ていきましょう。

コミュニケーションの問題

一人で完結させられる仕事を除けばコミュニケーションが非常に重要なことは周知のとおりですが、リモートワークになるとこのコミュニケーションの部分で問題が出る場合が多く見られます。

報連相が回らない


社会人になれば最初に教え込まれる「報連相」ですが、これはほとんどの場合オフィスへ出勤している状況を想定されています。

自宅などで仕事をしている場合は物理的に距離があることにより、報連相が疎かになったり、また報連相自体に時間がかかってしまう傾向があります。

オフィスではすぐ近くにいる同僚や上司に報連相をすることが出来たわけですが、リモートになると報連相への心理的ハードルが上がり、コミュニケーション不足の原因になります。

今までは眼の前で仕事をしていたので「なんとなくわかっていた」メンバーの仕事の進捗状況も一気にブラックボックス化されました。

進捗を確認してみると予定よりだいぶ遅れていることが発覚することもよく起きており、より細やかな報連相のルール作りが必要になります。

緊張感が低下している


人間は「他人に見られている」ことで緊張感を維持しています。

自宅ではとても続けられない運動でもジムなら頑張れるという経験は誰にでもあるでしょう。普段のオフィスはまさにそういった状態でした。

ダラダラしていれば上司からの睨みが飛んできますし、デスクで寝るなどは論外でしょう。ところがリモートワークになると状況が一変します。

誰に見られているわけでもなく、またスーツや制服に着替える必要もない自宅は緊張感を維持するのはとても難しい環境であり、結果的に業務とは無関係に過ごしてしまう時間が増加します。

スピードや品質の低下は報連相だけでなく、こういった緊張感の欠如も原因になっています。

管理方法の問題

リモートワークに移行することで一番大きく変わるのはコミュニケーション、特にその中でも「管理」に当たる部分です。

進捗管理


前述の通り、今までは目の前で仕事をしているために「なんとなく」わかっていた各メンバーの仕事の進捗は全く見えなくなり、見た目だけでなく、取引先との電話対応や、印刷している資料などからも得ていた情報がなくなったことで、従来と同じ管理方法は通用しなくなります。

リモートワークに合わせた管理方法が必要になるでしょう。

勤怠管理


リモートワークになっても出退勤の記録はつけていることがほとんどです。従来はこれで十分でしたが、リモートワークになると、

・誰が
・いつ
・何を
・どのくらいの時間を使って

個人のタスクを行なっているのか把握しにくいことが問題になります。
この部分は適切な残業時間にも関係してくる点ですので、新たな管理方法が求められるのです。

また、「同じ時間に仕事をしている」ことが重要な場合も多いので、特にフレックス制度を導入している企業の場合はコアタイムを設定・調整するなどできるだけリモートでも意思疎通のしやすい制度の検討も必要となってきます。

モチベーション管理


モチベーション管理も非常に重要です。

従来は声をかけたり、面談を設定したり、更には食事に連れて行って、という管理職の方もいらっしゃったでしょう。

外に出るのも難しいご時世のなか、スタッフのメンタルコントロールは更に重要になったと同時に更に難しくなったと言えます。

見た目や声のトーンなどの非言語情報がなくなった分、より丁寧にメンバーのメンタルを観察する必要があります。

ITリテラシー要因

リモートワークの普及は家庭のインターネット環境の向上や、企業に導入しやすい、安価なSAAS型コミュニケーションツールが登場したことなど、「IT環境が整ったこと」が最大の要因です。

もしリモートワークへの移行により生産性が下がっているのであれば、このITを使いこなす部分、「ITリテラシー」が原因となっている可能性がありますので、ぜひ見直してみましょう。

ITリテラシーが十分か


仕事のほぼ全てをインターネット越しで行うリモートワークではITリテラシー、IT機器の取扱いの得意不得意で大きくその生産性が変わってきます。

伝統的な日本企業では年功序列で管理職になる場合が多く、「管理職ほどIT機器が苦手」という現象が起きています。
入社時点ではパソコンすら存在していなかった世代の方にとって、ITは非常に大きな変化であり、適応できていないまま仕事をしている方も多くいます。

年齢が高くなるほど新しい学びに対してのハードルは上がりますし、そもそも日本の社会人の平均学習時間は1日6分と言われ、(平成28年社会生活基本調査結果(総務省統計局)、学習時間自体が不足していた側面もあります。
結果的にITを使いこなせない管理職がメンバーの仕事を把握しきれていないこともリモートワークによる生産性低下の大きな要因です。

もちろんメンバーに求められるITリテラシーも上がりますので、詳しいメンバーや外部コンサルティングなどによるIT研修などを検討するのも良いでしょう。

適切なITツールを使えているか


そもそも適切なITツールを選定できていないという状況も多いようです。

メール・電話・FAXをメインに仕事をしてきたチームがリモートに移行すればコミュニケーションで障害が起きるのは明白です。
メールは送受信や閲覧の手間が大きいので会話の代替にはなりえず、Slackなどのビジネス用のチャットツールが必要ですし、対面でのコミュニケーションが無いリモートワークでは視覚情報を得るためのビデオ会議ツールも必要になります。

FAXについてはインターネットFAXという選択肢もありますが、従来FAXで行っていた業務フローを廃止し、Web上で簡潔する仕組みを構築することや、電子契約システムを導入し、手書きで行うやり取りをデジタル化すべきです。

また、オフィスでは視覚化されていた「誰が、どこにいて、いつ戻る」と言った情報を共有するためにもスケジュール管理ツールなどの導入も必要です。

新しいツールには慣れが必要ですので、ここでもやはり研修などを行うのが好ましいでしょう。

ITツールの活用が鍵


ITツールを適切に活用できればリモートワークによるデメリットはほぼ無くなります。

事実元々ITリテラシーが高かったチームでは生産性の低下は見られないことも多く、むしろ以前より効率的になったという報告もあるほどです。

このリモートワークかをピンチや好ましくない変化ではなく、より生産性を上げ、メンバーの満足度を上げるチャンスとして捉えて、是非ITへ力を入れて行きましょう。