リモートワーク などが注目集め、働き方が多様化している昨今、組織内でのスムーズな情報共有やコミュニケーションを実現し、効率的に業務を遂行するためにグループウェアの導入を進める企業が増加しています。
こうした変化に伴い、さまざまなグループウェアが登場していますが、世界中で多くの企業が利用しクラウドで提供される統合型グループウェアの代表がGoogleの「Google Workspace」と、Microsoftの「Microsoft 365」です。
この記事では、両サービスの機能や料金体系などを比較していきます。
Google WorkspaceとMicrosoft 365の概要

Google Workspace も Microsoft 365 も統合型グループウェアとして、グループウェアのほか、ビジネス向けのアプリケーションを一括して利用できるサービスですが、それぞれ特徴が異なります。このためまずはそれぞれのサービスの概要を確認しておきましょう。
共同作業に適したGoogle Workspace
Google Workspace はGoogleが提供するグループウェアサービスです。2020年10月6日に「G Suite」からリブランドし、現在の名称へと変更されました。
最大の特徴はオンライン作業に強いことで、あらゆる機能がクラウド上で管理できることから、メンバーの作業進捗状況をリアルタイムで確認することが可能です。
このためスケジュール管理が行える「Googleカレンダー」や、ビデオ会議を行うことできる「Google Meet」などコミュニケーションツールはもちろん、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントといったアプリケーション上でも、コメントなどの機能により リモートワーク などで希薄になりがちなコミュニケーションを補うことができます。
また Google Workspace では「管理者権限」が与えられているためファイルにユーザーの権限を設定できるなど、セキュリティ面も強化されています。
アプリケーションが充実したMicrosoft 365
Microsoft 365 はこれまで「Office 365」に含まれていたグループウェアサービスと単品のOfficeアプリケーションが統合され、さらに最新のWindows OS、セキュリティ対策を組み合わせたパッケージプランとして2020年4月22日にスタートしました。
最大の特徴はビジネスにおける利用頻度の高いExcel、Word、PowerPointをはじめとしたOffice製品を利用可能な点で、これらは Microsoft 365 であればクラウドサービスの利点を活かし、リアルタイムで共同編集を行うこともできます。
また、プランに関しては、一般法人向けのMicrosoft 365のプランと、300名以上の大規模企業が中心に提供されることとなった従来のOffice 365のプランとに大別され、企業の規模に合わせてサービスを選択するかたちになっています。
このほか各アプリケーションに関して、Google Workspace が各業務に特化しているのに対し、Microsoft 365 では複数の業務を横断的にカバーできるのが特徴です。
Google WorkspaceとMicrosoft 365の主な機能

次に Google Workspace と Microsoft 365 それぞれの機能をみてみると、以下の通り、それぞれグループウェアに求められる基本機能は十分にカバーされています。
また、クラウド上でアプリケーションが動作する Google Workspace はOSの環境に依存しないためさまざまなデバイスでスムーズに利用できます。
一方、Microsoft 365 は端末ごとにインストールが必要なものの、1アカウントでも複数のデバイスで利用が可能です。
グループウェアツール
| ツール | Google Workspace | Microsoft 365 |
|---|---|---|
| ビジネスメール | Gmail | Exchange Online |
| カレンダー | Google カレンダー | Outlook |
| ビデオ会議 | Google Meet | Teams |
| オンラインストレージ | Google ドライブ | One Drive for Business |
ビジネスアプリケーション
| 用途 | Google Workspace | Microsoft 365 |
|---|---|---|
| 文書作成 | Googleドキュメント | Word |
| 表計算 | Google スプレッドシート | Excel |
| プレゼンテーション作成 | Google スライド | PowerPoint |
| アンケート | Googleフォーム | Forms |
| サイト作成 | Googleサイト | SharePoint |
Google WorkspaceとMicrosoft 365(Office 365)の料金比較

料金については大きな価格差はみられません。ただし各サービス、プランによって利用できるストレージ容量に大きな差がみられるため、注意が必要です。
なお、Microsoft 365 には大規模企業向けのとして別途従来のOffice 365のプランが引き続き提供されます。
| Google Workspace | Microsoft 365 | Office 365 | |
|---|---|---|---|
| プラン | Business Starter | Business Basic | E1 |
| 料金(1アカウント) | 680円 | 540円 | 870円 |
| ストレージ容量 | 30GB | 1TB | 1TB |
| プラン | Business Standard | Business Standard | E3 |
| 料金(1アカウント) | 1360円 | 1,360円 | 2,170円 |
| ストレージ容量 | 2TB | 1TB | 最大5TB |
| プラン | Business Plus | Business Premium | E5 |
| 料金(1アカウント) | 2,040円 | 2,180円 | 3,810円 |
| ストレージ容量 | 5TB | 1TB | 最大5TB |
Google WorkspaceとMicrosoft 365それぞれのメリット

ここまで Google Workspace と Microsoft 365、機能や料金などを比較しましたが、具体的なメリットとしてはそれぞれ次のような点が挙げられます。
Google Workspaceのメリット
サービスを横断する検索が可能
Google Workspace では、検索エンジンで定評のあるGoogleならではといってもいい、サービスを横断する検索が可能です。ファイル名などが不明な場合でも、ファイルの内容までが検索対象となるため、ひとつのキーワードでさまざまな形式のファイル、あるいはメールなどでも検索することができます。こうした点はグループウェアとして大きなアドバンテージです。
コンシューマ向けサービスとして馴染みがある
Gmailなど Google Workspace のサービスはコンシューマ向けとして無償で提供されているものも少なくありません。このため、スマートフォンやタブレットなどで広く利用されていることで多くのユーザーにとって馴染みがあり、インターフェイスに慣れていることでスムーズなサービス導入が可能です。さらに、Google Workspace で提供されるツールは、Microsoft 365 が提供するOffice形式のファイルとの互換性も持っています。
データ管理のリスク分散が可能
Google Workspace は、データセンターを世界各国に設置しています。このため、大規模災害などの際にはデータ管理のリスクを分散できます。
Microsoft 365のメリット
Office製品の利用が可能
Microsoft 365 で提供されるアプリケーションには、Office製品に代表されるビジネスにおいてスタンダードともいえるものが数多く含まれています。このため、もともと多くのユーザーに利用されおり、ツールの操作や使用方法に関する学習コストを抑えられるほか、端末ごとにインストールされることで、オフライン・オンラインを問わずファイルの編集が可能です。
企業間のデータのやり取りがスムーズ
利用者の多いアプリケーションは必然的に多くの企業でも導入されています。つまり、Microsoft 365 で提供されるアプリケーションのデータは企業間でもスムーズにやり取りできるといえます。
国内データセンターの利用が可能
Google Workspace のデータセンターが世界各国に分散している一方、Microsoft 365 は日本国内にのみデータセンターが設置されています。ただしこれはリスク分散が難しい反面で、有事の際などにはデータ管理の面で有利に働きます。
何より金融機関や、官公庁、一部の大企業など社会的責任の大きな組織や企業は海外のデータセンターでのデータ管理を嫌う傾向があるのも事実です。
Google WorkspaceとMicrosoft 365についてのまとめ
ここまで、Google Workspace と Microsoft 365 についてみてきましたが、どちらのサービスもグループウェアとしての基本的な機能は抑えられています。
このため実際に両サービスのいずれかを導入する際には、蓄積された過去のファイルとの互換性や導入済みのシステムなど、組織内の環境に照らしてみることが重要です。また、料金体系などから、組織の規模・業務内容・体制といった要件を整理したうえで検討する必要があるといえるでしょう。
*こちらは、筆者独自で調査した内容であるため、情報が最新でない場合や内容に差異がある場合がございます。正式な最新情報は公式サイトをご確認ください。
